－2025年
日本社会の構造分析
最近、日本って
なんか発展途上国っぽくなってきてない？
と思うことがある。
経済の話じゃない。
精神構造の話。
テレビでは、きれいごとしか流せない。
多様性だの、尊重だの、平等だの。
一方で、スマホを開けば、
年齢も時間も関係なく、
性や欲望を売るような画像が溢れている。
昔なら、
そういうのは深夜番組とか、
一部の場所に隔離されていた。
今は違う。
表は清廉潔白、裏は無法地帯。
この光と影の落差が、
なんだか東南アジアの都市構造みたいだなと
ふと思った。
その原因の一つが、
ネット、とくに切り取りニュースなんじゃないかと思っている。
ヤフーニュース的なやつ。
一部分の言葉。
一枚の画像。
前後関係は全部カット。
それを見て、
「あ、わかった気になる」。
でも実際は、
考えたんじゃなく、反応させられているだけ。
想像力を広げるんじゃなくて、
「この方向で想像してください」と
レールを敷かれている感じ。
怖いのは、
それに慣れると
自分の判断軸が育たないこと。
怒る方向
憐れむ対象
正義の置きどころ
全部、編集済み。
自分の感情だと思っているものの、
かなりの部分が外注されている。
働き方の話も、同じ構造だと思う。
ヨーロッパの制度を見て、
「日本もこうすべきだ」と言う。
でも、
ヨーロッパは構造ごと作っている。
失業しても戻れる道がある。
職業移動が前提。
社会保障が“再挑戦”を支える。
日本はどうか。
構造はそのまま。
責任は個人。
再起は自己責任。
そのまま制度だけ持ってきて、
「自由に」「休め」「多様に」。
そりゃ歪む。
きれいごとは、
構造がないと毒になる。
人間は、
基本、楽な方に流れる生き物だから。
これは善悪じゃない。
生物として当たり前。
だから本来は、
負荷や制約や仕組みが必要。
それがないと、
だんだん弱くなる。
最近、よく思う。
今の社会って、
動物園みたいだなと。
・餌は決まった時間に来る
・危険は排除されている
・考えなくても生きていける
でも一度、外に出たら
野生では生きられない。
切り取り
きれいごと
即断評価
それに囲まれて、
人間の「野生の感覚」が
どんどん削られている気がする。
たいして道を外れていないのに、
人生終わったみたいに悩む。
お金持ちが標準だと思う。
タワマンのエントランスに憧れる。
夜景に憧れる。
その一方で、ボッチキャンプにも憧れる。
全部同時に。
なんなんそれって思う。
切り取り社会の一番の問題は、
間違った情報が多いことじゃない。
考えなくても生きられる錯覚を
与えてしまったことだと思う。
それに気づけるかどうか。
たぶん、そこが分かれ道。
…まあ、
こんなこと考えてる時点で
もう十分、面倒な人間なんですけど（笑）