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M&Aという名の「成長」に、どうしても違和感が残る

最近、物流業界でよく聞く言葉がある。
「規模を拡大しないと生き残れない」
「整備は自前で持たないと」
「人が足りないからM&Aしかない」
正直に言うと、
何を言っているんだろう?
という感覚が先に来る。
人口は減っている。
これは予測でも意見でもなく、ただの事実だ。
仮に今年、出生数が増えたとしても、
その子たちが労働力になるのは20年後。
2046年。
そこまで今の社会や企業が持つ前提で話をしていること自体が、
もうズレている。
それなのに、
ここ数十年で描かれた「成長モデル」
マクロ経済の教科書通りの発想が、
今も疑われることなく使われている。
M&Aは解決策ではなく、時間稼ぎに近い
M&Aが悪だと言いたいわけではない。
ただ、人口減少社会におけるM&Aは、
価値を生み出す行為ではなく、価値を集める行為
になりやすい。
人を集める。
仕事を集める。
競合をまとめる。
それは成長というより、
沈まないために、周りの浮力を奪う行為に近い。
一時的に売上は増える。
規模も大きくなる。
でも同時に、
・固定費が増える
・管理は重くなる
・人は疲弊する
・社長は現場から遠ざかる
結果として、生産性は思ったほど上がらない。
拡大路線というのは、多くの場合、
生産性の低下を、規模で補っているだけだ。
物流は、どう足掻いても労働集約型
物流事業は労働集約型だ。
これは逃げようのない現実。
トラックは勝手に走らない。
荷物は勝手に積まれない。
人がいなければ成り立たない。
だから「生産性を上げろ」と言われても、
答えは意外とシンプルで、
・走らなくていい距離を作る
・積まなくていい回数を減らす
・人の稼働時間を短くする
構造を変えるしかない。
台数を増やすことでも、
会社を買うことでもない。
将棋と同じで、自前の駒でしか戦えない
将棋でもそうだ。
自前の駒でしか戦えない。
相手の駒を奪って勝とうとするのは、
盤面が広かった時代の話。
人口が減り、
市場が縮み、
余白がなくなっている盤面では、
・駒を増やすより
・駒の効きを最大化する方が強い
経営も、まったく同じだと思う。
M&Aは、収奪資本主義に近い匂いがする
人口減少社会でのM&Aには、
どうしても収奪資本主義の匂いがする。
新しい価値を生むのではなく、
すでにある価値を取り合っているだけ。
奪うことに向いている人もいる。
でも、奪わないと成り立たないモデルは、
長くは続かない。
生き残るとは、拡大することではない
これからの時代、
生き残るというのは、
・無理をしない
・壊れない
・自分の目が届く範囲で回す
・走らせる前に、止められないか考える
そういうことだと思う。
派手さはない。
数字もキラキラしない。
でも、
続く。
それでいい。
といいながら、景気よくキラキラしたウナギ